ブログを読んでいて、何かしらグッとくることがあります。
ある方のブログ。介護がこの一年とても大変になり、自分はよく頑張った。でも、誰もそれをわかってはいない。だから、よくやった自分を褒めるというものでした。
あーっ、と思わず頷いてました。大変なことは自分しかわからない、他の人は何も把握できてない。当人にしかわからないことはありますね。
私の場合、それは介護ではなく、うちの家庭環境・単身赴任のことかな。
親族からも、誰からも「なんでよ?」と批判めいた扱いを受ける中、胸が熱くなるような経験をしたことがあります。
かなり前の出来事、義母と義姉の話です。
膠原病の持病があった義母は、70歳を過ぎたあたりから、みるみる老いていきました。でも頭はしっかりしていて、一人暮らしは続けてました。
実家への帰省は、子どもたちの受験その他の事情で、夫だけになりました。
長崎県に単身赴任していた夫は、長期の休みになると、うちの家に寄らないまま広島県の実家に直行でした。年末年始と向こうで過ごし、うちの家には一晩だけ泊まり、赴任先に帰って行きました。
父親がほぼいない状況は、何年続いたかな、5〜7年くらい?
子どもらの思春期の微妙な時期と、義母の体調の悪化が重なりました。義母の最後の半年は、入退院を繰り返し77歳で亡くなりました。
葬儀の後、三女の義姉が、私にこう言いました。
「これまで、休みの時も家族で過ごすことができなかったね。ごめんね。やっとこれから弟と一緒に過ごせるよ。」(こんな内容だったと思う)
私はビックリしました。そんなことを言われるなんて思ってませんでした。
うちの家庭状況を想像していた人がここにいる。心配もしてくれてたようでした。病院への泊まり込みでゲッソリと痩せた義姉からの言葉に、涙が出そうになりました。
その義姉は、親の面倒を主に引き受けてました。お弁当を毎日届けたり、病院に付き添ったりと。義姉本人も介護で、家庭や仕事を犠牲にしてきたと思います。
相手の置かれた状況を想像する力、他者を大切に思う優しい心がないと、こういうことは中々言えないと思います。しかも介護に全く関与しなかった私に。この義姉の話は、夫や娘にもしています。
♢ ♢ ♢
単身赴任してると言うと、「子どもが可哀そう」と随分と言われてきました。「一体いつまで別居?」とか「それでいつ終わるの、帰ってくるの?」とか聞かれてました。確かに父親不在は、子どもの心身にマイナスの影響を与えたと思います。
夫の不在を、親にも他人にも、私は愚痴ったことはないですが、逆に、周囲が私に「大変だね、一人の子育て」と心配されたことは………なかったと思う。言われると覚えてますよ。
普段人は、他人の家庭を想像したり、何かに気が付くことなんてないのだと思います。他人の事情なんて、誰もわからないし、わかるはずもない。
自分のことしか興味のない人もいます。たまたま経験がないせいで、相手の苦労を想像できない場合もあると思います。だから大変なときは、ヘルプは口にした方がいいと思います。
そこで相手は何かを考える、相手がどうでるかも確かめてみる。
どうか皆さん、無理をせずご自分を大切になさってくださいね。