薬指のブログ

日々おこる出来事や想いを綴ります

NHK「うたコン」を見る火曜の夜、知らない歌ばかりだけど

母は昔から歌番組が好きで、火曜日夜8時からの、NHKの歌番組を欠かさず見てきました。古くは「歌謡ホール」ちょっと前まで「歌謡コンサート」の名称で、今は「うたコン」といいます。

昔は演歌歌手ばかりが出てるイメージでしたが、最近はそんなことないんですね。若手アーティストも出てます。私は今まで番組を見たことなかったけど、今は一緒に見てます。

先日、横にいる母がポツリと

「この歌知らーん」
「この歌も知らーん…」

と小さくつぶやく姿に、ちょっとかわいそうだなと思いました。放送されたすべてが、聴いたことない曲だったこともありました。私は、割とわかるんですが。
「この曲知ってる?」なんてもう聞けなくなりました、気の毒で。よほど大ヒットした曲でない限り、わからないようです。

どんな歌ならわかる?と聞くと、

「西田佐知子が好きだった、アカシアの雨がやむとき・・」って言うんですよ。

うーん、古い、関口宏氏の奥様。調べると、ヒットしたのは1960年。西田さんは母と同世代の方。母は、若かりし頃に流行った曲ならわかるようです。

人は青年期に触れた曲が一番良いものとして記憶に残る、と聞いたことあるけどその通りですね。じゃあ私がオバアサンになったら、松田聖子中森明菜がいいって言うんでしょうか?今好きなスピッツは、割と早めに忘れてしまうのか・・・

母はどんどん記憶が抜け落ちていってて、よく知ってた出来事でも、中年以降のことなら相当忘れてます。だから歌も忘れてしまってるんですよ。

ちょっとビックリなのが、長年住んでた自分の家の記憶が、薄ボンヤリとしてるそうです。生まれ育った実家のおウチの方が、鮮明に覚えてるらしい。今の自分に近い記憶から、段々と抜けていくんですね。

 

話をうたコンに戻します。南こうせつさんの「神田川」なら、母はさすがに覚えていて良い歌ねと言ってました。昨日は、朝の連ドラで主人公がよく歌う「ラッパと娘」は楽しめたようでした。最近のうたコンは、60代、70代あたりがターゲット層なのかなと思います。だから母が楽しめる歌があまりないのが残念です。

「あーあ、あれもこれも、聞いたことない・・」って思いながら、知らぬ歌でも大人しく聞いてる母。老いていく現実を静かに受け入れてるように見えます。