薬指のブログ

日々おこる出来事や想いを綴ります

私の祖母とうちの母、昔と今を考えてみた

少し長め。お暇なときにお読みください。

はるか昔の10代後半の頃に、父方の祖母が私の家で3年ほど暮らしたことがあります。祖母が晩年、諸々の事情でうちの家にやってきたのは、80歳を少し過ぎたあたりでした。

最初は一人で留守番ができましたが次第にできなくなり、家の外に出てウロウロする祖母を、近所の人が連れ戻してくれたこともありました。両親は共働き。その為、昼間の留守番のときは、家政婦さんを雇ったりしました。

そのうち父が会社を定年になり、祖母の世話は父が担うようになりました。昔の話ならよく覚えているので、皆で昔話をよくしました。夕方になると何故か不穏になり、時には「お世話になりました。帰ります」と言って玄関に向かうので、追いかけて止めてました。祖母は体が小さく力が強いわけでもないので、止めることは容易でした。次第に祖母はおもらしをするようになり紙オムツを使ったこと、それを父が換えていたのは今でも記憶に残る光景です。

暑い夏の頃、祖母はエアコンの冷たい風で風邪を引き、肺炎を起こし入院しました。そのまま寝たきりになり、うちの家に戻ることなく亡くなりました。

 

先日私が、およそ40年前のそんな話をつらつらとしたところ、母はあまり覚えてないというのです。当時母は45歳くらい。兄も私もまだ学生でお金がかかる頃でした。そんなころ、ボケて手に負えないから、とやってきた祖母を引き受けた両親をみて「大変だあ…」と感じてました。母は仕事や日々の慌ただしさと、突然の姑との同居で胸中穏やかでなかったことは、私から見ても明らかでした。私にとっては祖母とのわずかな数年間でしたが、母にとっては大変な出来事だったと思います。ゲッソリ痩せましたし。なのに覚えてないって…

母は以前から、自身の失言や都合の悪かったことは覚えてないことが多いです。嫌なことは忘れてしまい、良いことは記憶にとどめておく。これも、強くしぶとく生き抜く秘訣なのかもしれません。私は嫌なことは割と細かに覚えてるタイプ。少しは見習いたいと思います。

 

現在要介護1の母は、診断は受けていませんが、よくあるアルツハイマー型の認知症なのだと思います。新しい情報はほとんど覚えることができず、毎食後に飲む薬は私に確認しながら飲みます。記憶力は酷く衰えてるけど、日常会話や思い出話などは何の問題なくできます。

母がうちの家にきた当初、体が痛い痛いと困り顔で訴えどうしたものかと心配でしたが、最近はかなり落ち着いてきました。住み慣れた自分の家を離れたことのショックがあったと思います。体の痛みは老化現象と捉えるようになり、嘆くことは少しは減りました。それと、介護ベットや歩行器の導入や、デイサービスへ行くようになったことは良いことだと思います。最近は寝返りが上手に打てないことが心配なところです。

 

<アヤメ>

私は最近、祖母と母を、昔と今を思い返し比べています。

二人は似たところはありませんが、年齢と足腰の弱り具合は同じくらい。コミュニケーション能力なら母が格段に上です。ただこれは、実の親子の母と私なので、共通の話題が多いのもあると思います。

高齢者やその家族を取り巻く環境となれば、昔と今では雲泥の差があると思います。
まず、介護保険制度がある、ケアマネさんに相談できるし、希望すればデイサービスだって行ける。他には、認知症を知る本がある、You Tubeやブログを見れば、色んなことを学べるし共感もできる。昔は家族の中だけで抱え込んでいたのに…なんて違いなのでしょう。

この先も、色んな情報収集しながらの介護ですね。
それと、父がホームにうまく慣れてくれますように、と祈る日々です。