薬指のブログ

日々おこる出来事や想いを綴ります

「イエイ」は、美しいのでお願いします

遺影の話です。先日夫と、「義母の葬儀の写真はイマイチだった」という話しになりました。義母は15年前(2008年)他界しています。リビングのチェストの上の、遺影の縮小版の小さな写真を見るたびに、ピントの合ってないぼんやり写真だな、と思います。

昨年義実家の片づけで沢山の写真を処分した私は、「もう少し良いのがあったかな」とどうしても思ってしまいます。晩年に入退院を繰り返す義母に、「よい写真を探したいからどこ?」など尋ねることはできなかったと思います。夫は「遺影の準備なんて、生前はできないものだ」と言います。そうですよね…

あら、言うの忘れてたと思い出し、私はファイルに入れて保管している父(93、存命中)の写真を出しました。お葬式の遺影にする写真を。
それを見た夫は、余程ビックリしたのでしょう、しばらく絶句してました。

 

少し斜めに構え穏やかに笑う父の写真。母によると、うちの長女が撮影したそうです。あまりに写りが良いから大切に保管している、と聞きました。そして、

「これを、お父さんのお葬式の写真にする!!」
と母はにこやかに言いました。

保管しておいて欲しい、というので私は家に持ち帰りました。もう、10年以上保管しています。

長女がカメラを撮るようになったのは10代後半ですから、撮影は15年前くらいのことです。父が70代半ばの頃です。

「おじいちゃんは写真写りがいい、絵になる」と長女はよく言ってました。どういうわけか、文豪のように、味わいのあるいい感じに写るのです。

ーこちらは夏目漱石さんー

そもそも父は、還暦あたりから「身辺整理をする」と言っては大量に物を捨てたり、「オレの葬儀の音楽はこれにしてくれ」と気に入った音楽を流したりする人です。日常的にそういう会話をするので、遺影の話もそれほど驚くことはありませんでした。

 

父は決まってますが、母(85)のがまだなのです。母もお気に入りがあれば私に託すはずです。最近は写真に写りたがらないし、老いた姿はイヤみたい。

今一緒に暮らしてますけど、どういうタイミングでそんなこと聞く?そうそう聞けませんよ。
探すとしても(こっそり)、もうちょっと若い頃の写真がいいのかな?若すぎず、おばあさん過ぎず、やっぱり美しいのがいいですよね。