朝、洗面所から母の呼ぶ声がしました。ちょっと来て~と。見ると、父と母が「ひげそり機」を手にして何やら話しをしています。
「ねえ、これ、どうやったら動く?」
スイッチの入れ方が二人ともわからないようでした。蓋を外し、真ん中のボタンを押すとウィーンと音がしたので、父の顔にあててみました。そこからは父は自分でひげそりをしました。
「スイッチもわからないんだ」と私はショックでした。以前は毎朝必ずひげそりをして、使用後の掃除までこまめにする父だったのに、最近はひげをそること自体を忘れてるそうです。そういえば、いつもひげが伸びてますね。
母によると、父はテレビもつけられなくなったそうです。昔はあんなに電気や機械なんかに強かったのにね、と母と話しました。
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私は腰痛の治療の為、整形外科で習ったストレッチを毎日欠かさずやっています。お昼ごはんの前にタイマー片手にやっていると、父が「何しよるん?」と話しかけてきました。おやっ?て顔してましたから、異様な光景に映ったようです。私が「ストレッチ、一緒にやろうよ」と声をかけると、「俺もする」というのでやってみました。
凄い!と思ったので写真を撮りました。92歳。おじいちゃん大好きな長女に見せると喜びそうです。
何が凄いって、
私のポーズの真似をしようとすること。
「右足をたてて、左足を伸ばす」など指示通りにできること。
その体勢を数分間保てること。ビックリしました。
撮影の時、顔を反対側に向けてと言うと、父は「ハゲが写るよ~」と気にしていました。これはいつもの調子です。