薬指のブログ

日々おこる出来事や想いを綴ります

過去は変えられない、でも救いたい

購読している新聞の「声」の欄に、「どう思いますか、転勤」という題で寄せられた投稿が掲載されていました。転勤への賛否、転勤の思い出、一刻も早く家族の元へと帰りたいという現役の会社員の方もいました。その中に、単身赴任で帰省した父親の枕に顔をうずめ「パパの匂い」と子どもが泣いたというのがあり、うちも同じようなことがあったと思い出しました。会社員なので転勤は仕方のないことですが、それによって本人だけではなく、家族まで生活を翻弄されるのは辛いことです。
f:id:kusuriyubino:20220415181352j:image
夫が転勤族で単身赴任の状態で育った子ども達がよく言うのが、「うちは一家団らんがなかった」「旅行にあまり行ったことがない」です。親としては、反論のしようがありません。確かに一家4人が揃って食事が出来ることは、本当に少なかったと思います。夫が単身赴任先から帰ってくる土日は、彼女らのお出かけの日となっている時期もあり、すれ違うことも多かったです。

メンタル不調気味の次女は、子どもの頃もう少しお父さんと遊びたかった、と自分の育ちに疑問を向けている節があります。昨日も旅行の話になって、彼女は一回も行っていないと主張するのですが(両実家の帰省は除く)、そんなことはありません。ここと、ここと、と一つずつあげ、あの時にはあのぬいぐるみを買った、あの時は○○ホテルに宿泊したと話すと、次第に思い出したようでした。

お友達のお家のバーベキューに参加したことなど楽しかったはずの出来事も、何故が忘れ去ってしまっています。家族構成やお父さんお母さんの仕事のことなど、私が記憶にある限りの説明をしました。すると、「そうだった」と驚きながら思い出すようでした。

気分が揺れてくると過去のことを蒸し返し、否定的に捉えています。過去は今更変えられないとわかってはいるけど、振り返り、反芻し、虚しさを確認しているかのようです。私は一つずつ解説し、説明をします。私の説明は子どもには言い訳にしか聞こえないかもしれませんが、一緒に向き合うしかありません。共に向き合うことで、彼女が少しでも救われて、元気になってくれたらと思います。

ひと通り話すと、次女は今度は「攻撃した、ごめん、大人になりきれていない」と謝ってきました。こういうやり取りで「ごめん」はあまり聞いたことがないので、本人の中で何か思うところがあったのでしょう。

子どもの思春期と受験、義母の容体の悪化、夫の会社の業績不振などが一挙に重なった時期がありました。住宅ローンを抱えていた我が家は、私も仕事に奔走し、あの頃は大変だったなと思い出せます。でも「私の大変だった気持ち」は既に過去のものになっています。次女だけが今もなお、過去を引きずっています。なんとか彼女を救いたいです。

お読みいただきありがとうございました。