薬指のブログ

日々おこる出来事や想いを綴ります

じい散歩

実家での話

昼食をとり随分とたった頃、父が黒い斜め掛けバックをテーブルに出してきました。母によると、どこかへ出かけたい様子だと言います。私は父に「散歩に行く?」と尋ねると即座に「うん行く」と答えたので出かけることにしました。キャップの帽子をかぶり、靴下といつもの靴を履き、すぐに準備が整いました。私が家の近所を歩くなんて何年ぶりでしょうか。子ども達が幼いとき以来かもしれません。実をいうと私も町内をあちこちお散歩をしたかったのです。

まずは家の裏にある神社へ。石碑と巨岩が神々しく鎮座しています。木がうっそうと生い茂っているので、幼い頃は、ここは怖ろしく感じている場所でした。

f:id:kusuriyubino:20220404151128j:plain

f:id:kusuriyubino:20220404151143j:plain

山の上にある神社から見下ろした光景。桜が満開です。遠く向こうにはゴルフ場の芝生が見えます。

小学校への通学路を歩きました。5分ほど歩くと池があります。昔、父と兄と私の3人で魚釣りをしたことがあります。フナしか釣れませんでしたが、父にも記憶はあるようでした。私が子どもの頃は、この池には冬になると白鳥が飛来していました。一度だけ、白鳥が飛び立つのを目撃したことがあります。長ーい助走でした。びっくりして色んな人に自慢したことを覚えています。

池の写真を撮らなかったのは残念です。わあ汚いと思ったからで、水がくすんだ抹茶の色のようでした。昔はもう少し綺麗だったような気がするのですが。看板を見ると「農業用ため池」となっていました。

小学校まで歩くと30分かかるので、コースを途中変更。今度は町内にある、もう一つの大きな神社に行きました。八幡神社

f:id:kusuriyubino:20220404153925j:plain

f:id:kusuriyubino:20220404154340j:plain

私は父に「足は痛くない?まだ歩ける?」と何回も声をかけました。何しろ一緒に散歩するのは初めてですから、日差しの若干強めの中、どれくらい歩けるかがわかりません。父は背筋はピンとしているものの、少し前かがみで歩きます。つま先と地面があたる時の音がキュッキュッと聞こえました。歩くスピードは少し遅く、私が何度も後ろを振り返りながらの散歩でした。

f:id:kusuriyubino:20220404155545j:plain

父92歳。自宅から裏の神社を仰ぎ見ます。神社の桜が綺麗です。

父はキャップをかぶるのが好きで何個も持っています。青い上着ユニクロのフリース。一人で出掛けてしまい迷子になった時の為に、「GPS」が黒いバックに入っています。それと名前と住所と電話番号を書いた名札もつけています。認知はあるものの体は元気なので、こうして私と散歩を楽しむことが出来ました。帰省する度に一緒にあちこち散歩に連れ出したいです。